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過渡期の日本型マルチステップ流通―平和堂多賀流通センターを訪ねて法政大学経営学部教授 矢作敏行
欧米チェーンストアが日本に持ち込む小売・メーカー直結型ワンステップ流通と、卸が中継する日本型マルチステップ流通とのシステム間競争が始まっている。その趨勢を占う際、両システムは単純に二分されるのではなく、その間には多様な中間形態が存在する可能性があることを視野におさめておく必要がある。それは歴史的条件の異なる日本市場における流通システム形成の多様性を示している。その問題を考えるため、平和堂多賀流通センターを訪問した。
このセンターは商品と機能の統合度、物流サービスの水準において、日本のチェーンストアの小売サプライ・チェーン(RSC)の到達水準を明確に示している。第1に、多賀センターは加工食品、菓子、日配食品、青果物、衣料品、雑貨、ギフト用品を扱っており、常温、チルドの複数管理温度帯商品を扱う複合センターである。近くに日用品雑貨、冷凍食品、生鮮加工センターがあり、配送の共同化が図られている。それを含めたセンター経由の一括納品率は金額ベースで約76%、物量ベースで88%となっており、とりわけ衣料品や加工食品の一括納品率(金額ベース)はそれぞれ92%、88%と高い。
第2に、卸が伝統的に担ってきた物流機能のほとんどすべてを内部化している。加工食品、菓子、ギフト商品で在庫保管機能を、加工食品、菓子、ギフト商品、日配商品、青果物で小分け機能を、また寝装品、ギフト商品、PB商品で包装等の流通加工機能を担っている。そのうちチルド商品(日配食品、青果物)、衣料品、雑貨、一部加工食品で在庫を持たないクロスドッキング(通過型)方式が導入されている。
第3に、物流シンボル・コードを活用した高度な物流サービスが各店舗に対して提供されている。加工食品の場合、自動仕分け、自動検品、自動決済が実現し、昼12時の発注締め切り後、当日午後5時、翌朝8時、同午後1時の3回に分けて店別カテゴリー別に品揃えされてかご車で納品される。それゆえに店頭在庫の圧縮や品出し作業の簡略化が図られた。

日韓流通経済研究所
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