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韓国家電品流通のダイナミクス−日韓比較の視点から

専修大学商学研究所報第36巻 第3号 2004/07
著者:専修大学商学部教授 関根孝、専修大学大学院商学研究科 趙時英

家電品は、日本において経済社会および技術の高度化の両面において中核的地位を占めて きているし、戦後のマーケティング・チャネル形成のひとつの典型的な業界である。
日本の家電メーカーが流通系列化に着手したのは1950 年代後半からである。高度成長経済 が始まるこの時期、日本はロストウ(W.W.Rostow)のいう高度大衆消費社会(high-mass consumption society)に突入したと考えられる。白黒TV、電気洗濯機、および電気冷蔵庫 のいわゆる「3種の神器」などが次々に商品化され、家電品ブームが到来した。家電品分野 でも技術革新の進展よって生産は高度化し、大量生産体制が確立したが、問題はマーケティ ング・チャネルにあった。既存の卸売業と小売業は、ラジオや電球など電機小物を扱う卸や 街の電気屋さんで、小規模で非効率な経営を行っている場合が殆んどであり、3種の神器の ような「ハイテク」家電製品の販売や修理サービスの提供は難しかった。また量産に見合っ た量販という目的を遂行するうえで、メーカーが最も懸念する「値崩れ」を防止するには系 列網を利用するのが最も効率的と考えた(新飯田他[1991]107 頁)。そこで松下、日立、お よび東芝などのメーカーは商事会社を設立し、各地域の代理店に資本参加する方式で系列化 し、1地域1代理店というテリトリー制に基づく販売会社体制を確立する同時に、それら地 域販売会社を中心に自社製品を扱う小売店の全国的な系列化を行っていった。こうした「メー カー→販売会社→系列店」というチャネルのシェアは、1970 年代前半、8割近くを占めてい たと思われる。70 年代中頃から系列店チャネルのシェアが徐々に下降し始めるのは、家電量 販店と総合スーパーの成長がみられたからである。

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