<論文>

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揺れ動く取引関係の道標

東洋大学経営学部教授 住谷 宏

 20世紀最後の月である2000年12月の幾つかの新聞記事を簡単に紹介しながら、揺れ動く取引関係の意味を考えてみたい。
 例えば、東芝の府中工場で部品のネット調達を活用し、従来取引のなかった企業にもネット上で幅広く参加してもらう「オープン入札」を導入し、上期に800件の電子入札を実施したところ、新規の取引先が30社増加し、調達コストが前年同期比で17%下がったという。そこで、ネット取引では商談から決済までを一括してネット上で行うため、一取引あたりの時間が短縮し伝票がなくなる等、業務を大幅に効率化できると言っている。さらに、「系列」等に代表される硬直的取引関係が変わり、コストが圧縮されると主張している。また、ジャスコは12月中旬に、ネット上で世界の家庭用品メーカーに低価格洗剤の供給を呼びかける予定だと記載されている。つまり、卸売業を経由せずに商品を低価格で提供するメーカーを直接探し出すことによって仕入れ価格の引き下げを狙うのだそうである。また、ジャスコは既にワールドワイド・リテール・エクチェンジを通した取引の実験として、年間使用量の4割にあたる蛍光灯の逆オークションを実施し、従来の6割程度の価格で購入したことが報じられている。

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